女性原型師がいる?美男子・イケメンフィギュアが増えている理由とは

フィギュア業界の潮流としてここ最近で見逃せない動きが、美少女フィギュアと対をなす「美男子フィギュア」です。

むろん、昔から男性フィギュアは多くあり、特段珍しいものではないといえば無いのですが、おもに女性をターゲットに絞った作品や、いわゆる「乙女系ゲーム」「やおい系ゲーム」といった作品からのイケメンフィギュアがここしばらく増えてきているのです。

メーカーによっては専門のブランドも新設するほど!何故ここまで美男子フィギュアが増えてきているのでしょうか?

理由はいろいろあるのですが、そのひとつとして今回は

女性の原型師が増えている!

という点を掲げてみたいと思います。ではではざっくりと見ていきましょう。

女性原型師が増えてきている!

こちらの写真は現在気鋭の原型師として活躍している「グリズリーパンダ」氏。こちらの初音ミクのように美少女フィギュアも多く手がけていますが、

こちらのnative製「蒼葉」のように男性フィギュアも多く制作しています。(余談ですがこちら、世にも珍しい18禁男性フィギュアだったりします)。

ワンダーフェスティバルなどのガレージキットイベントなどでブースにお邪魔するとわかりますが、氏も女性原型師のひとり。最近、とくに女性原型師にスポットライトが当たる機会が増えているのです。

よく「最近は女性のオタクが増えた」なんて声も聞きますが、その認識は正しくありません。女性のオタク自体は昔から男性に負けない数がいましたし、むしろアニメオタク界では女性のほうがメインストリームとして動いていた力が大きかったと言えるでしょう。

例えば『機動戦士ガンダム』だって初期は女性のオタクに支えられていたのです。シャアとガルマのカップリングが人気だったんですよねえ。

後の世になればなるほど「ガンプラが売れたから……」みたいな理由が語られたりしますが、ガンダムのプラモデルが発売されたのは再放送時。リアルタイムではバンダイではなくクローバーからオモチャが発売されていたのみだったんです。

その間『ガンダム』の人気を支えていたのは……もちろんクローバーのオモチャを買っていた子どもたちというのもありますが、『宇宙戦艦ヤマト』以降のSFアニメオタクや、男性カップリングなどにハマっていた女性オタクだったのです。

が、アニメキャラクターのフィギュアというと作っていたのは圧倒的に男性でした。当時から多くのキャラクターフィギュアが発売(この頃はおもにプラモデルでした)されていましたが、その原型製作はほぼ男性です。

このあたりについての詳しい事情は美少女プラモデルについて語られた書籍もあるので、そちらをご参照ください。

それは現在の塗装済みフィギュアの定着へとつながっていくガレージキットイベントでも同様。

ガレージキットイベントの代表選手、『ワンダーフェスティバル』では毎回、運営側が「これは!」と思った原型師をピックアップする企画、『ワンダーショウケース』が催されています。

『ワンダーショウケース』でもピックアップされる原型師はたいてい男性だったのですが、ここ数年、非常に女性の数が目立ってきています。

例えば上述の’18年選出「あかちょむ」氏も女性原型師。

こちらの’16年選出、「Chilmiru」氏も……


’14年選抜の「にのみやあきこ」氏も……

と、挙げていけばキリがありませんが、ここ10年ほどで大変に女性原型師が増えてきています。’03年に選出された「KIMA」氏の時点では「初の女性原型師」「ワンフェスにおいて珍しい存在」と言われていたことを考えるとおもしろい潮流と言えるでしょう

詳しくはこちらを参照

これは女性オタクのあいだでも、「フィギュア」という表現方法が定着してきたことを表していると言えるのではないでしょうか。

女性向けを銘打ったフィギュアブランド

高まる美男子フィギュア、女性向けフィギュアの需要に応えるため、各メーカーも専用のブランドを設けて迎え撃っています。

ひとつはグッドスマイルカンパニーとマックスファクトリーがタッグを組んだ『オランジュルージュ』。

人気の『刀剣乱舞』『おそ松さん』『文豪ストレイドッグス』『ハイキュー!』などから、さまざまなキャラクターが『ねんどろいど』や『figma』、スケールフィギュアなどでリリースされています。

高品質なフィギュアメーカー、アルターが2013年に立ち上げた『アルタイル』も見逃せません。

『デュラララ!』や『うたの☆プリンスさまっ♪』、『FREE!』などから多様な男性キャラクターが立体化されています。

ブランド、というよりシリーズものといったカンジのくくりなのですが、コトブキヤが新たに展開を始めた『IKEMEN』シリーズもユニーク。

もともとコトブキヤはアメコミやホラー映画などをモチーフに、新たにキュートなイラストを描き下ろしてフィギュア化した『BISHOUJO』シリーズを長く展開していたのですが、それを男性キャラクターに応用したのが『IKEMEN』シリーズ。

アメコミなどの海外作品のキャラクターを、日本のアーティストが「イケメン」に描き、それを流麗にフィギュア化していくフィギュアです。

現在のところ『バットマン』より上記の「ナイトウイング/ディック・グレイソン」、そして「レッドフード/ジェイソン・トッド」 といった歴代ロビンがリリースされています。ディック・グレイソンといえばDCコミックスでも有数のスケコマシですからね……。シリーズ第1弾に選ばれるのもなるほどといったカンジがありますw

コトブキヤは専門のブランドといったものはありませんが、『銀河英雄伝説』や『刀剣乱舞』、『テイルズ』シリーズなどけっこうな数の美男子フィギュアを継続的に展開しています。というか美少女フィギュアと比率は同じくらいかも?

ほかに男性フィギュアに強いメーカーといえば「メガハウス」も挙げられますね。

メガハウスはバンダイの系列メーカーということもあり、『少年ジャンプ』作品や『ガンダム』『TYGER & BUNNY』といった、バンダイと関係の深い人気作品のフィギュアが多く発売されているのが特徴です。

『ユーリ On ICE』などのニューフェイスにも顔を出しており、そのラインナップは独特かつ手広いカンジです。

10年前20年前のちょっとレトロな作品から急にピックアップされて立体化されたりするので、年季を重ねたファンにもチェックをおすすめしたいメーカーですね。

まとめ

と、いうわけで今回はメインジャンルではないながら、私見を交えて男性フィギュアについて語ってみました。今回のポイントをまとめてみましょう。

  • 男性フィギュアの需要と供給が増えている!
  • 女性原型師も増えている!=女性からフィギュアへの注目度が上がっている
  • マックスファクトリーとグッドスマイルカンパニーの男性フィギュアブランド『オランジルージュ』
  • アルターの男性フィギュアブランド『アルタイル』
  • コトブキヤは美少女フィギュアと同じくらい男性フィギュアも発売中
  • メガハウスも男性フィギュア強し!

また、重ねて伝えておきたいのは「イケメン」のフィギュアだからといって

必ずしも「女性が買っている」「女性向け」ではないということ

逆に美少女フィギュアだって女の人買ってますもんね!

『刀剣乱舞』や『アイドルマスター Side-M』もパッと見は女性向けコンテンツに見えますが、男女比が半々~6:4くらいはあるとのこと。

『Fate』なんて元は男性向けエロゲーでしたが『GrandOrder』は男性サーヴァントが増えて女性ファンがすごく多いですもんね。

女性向け作品やフィギュアが増えている、というよりはよりユニセックスなコンテンツが増えてきている、とも言えるかもしれませんね。

それでは!