5分で分かる!プライズフィギュアとスケールフィギュアの違いとは

フィギュア好きのあなた!

Amazonに並ぶ商品たちを眺めて、不思議に思ったことはないでしょうか?「パッと見のクオリティの差はそう感じないのに、なんで1万円くらいするフィギュアと2000円もしないフィギュアが並んでるんだ?」と……。

あれって不思議ですね。一体なぜあんなに値段がちがうのでしょうか?あの理由なんですが、

実はプライズフィギュアとスケールフィギュアが存在するからです!

え?なにそれ?という人も多いと思います。

実際にフィギュアには、プライズフィギュアと、スケールフィギュアといった2種類のフィギュアが存在し、それらの質が大きく違い、その質の違いが値段の差を生んでいるのです。

ということで、今回はプライズフィギュアと、スケールフィギュアの違いについてのお話です。

ちなみに本編では、フィギュアを、可動ギミックを持つ「アクションフィギュア」や、デフォルメ体型のものを除いた、いちばん一般的なスタチュータイプのものを指させてもらいます

具体例を見てみよう!

ということで、実際に具体例を見るのが早いので、見てみましょう。

上記は『艦隊これくしょん -艦これ-』の人気キャラクター、「鹿島」のフィギュアです。その鹿島をAmazonで検索してみると、1万円越えのものと、1000円ちょっとで買えるものが出てきます。

う~ん、流石にこれは凄い差ですよね。

これが先ほど述べたスケールフィギュアとプライズフィギュアの質の差です

前者は2018年現在、一般的に価格が1万~2万円ほど、後者は1000~2000円ほどと、流通価格に大きな開きがあります。

この2者の特徴を把握し、目利きできるようになればフィギュアを揃える楽しみはより向上するハズッ! 今回はこの2タイプのフィギュアの違いをざっくり伝えていきます。

※以下注意点

今回は便宜上、今回の記事では「小売店売りのハイエンドなフィギュア」を「スケールフィギュア」と呼称。「ゲームセンター流通のクオリティを抑えたフィギュア」を「プライズフィギュア」と呼称させていただきます。

ちなみに、スケールとは縮尺のこと。フィギュアの製品仕様によく書かれている「1/7」とか「1/10」とかのあの表記のことで、「ホンモノのサイズの1/7くらいのサイズですよ」ということを表しています。

なので決して価格の高いフィギュアに対してのみ使う言葉ではなく、プライズフィギュアに対して使用するのも間違いではないのですが、今回は両者を比較するためのわかりやすい呼び方としてこう分けていきます。

スケールフィギュアとプライズフィギュアの違い

▲多くのフィギュアが並ぶゲームセンターのプライズエリア

さてスケールフィギュアとプライズフィギュア、その価格の違いはどこにあるのでしょうか。どちらも材質は同じPVC(ポリ塩化ビニル)で、量産品の大本になる「フィギュア原型」についても、どちらもプロの原型師が作ったハイクオリティなものです。ではなぜこの2者はあまりにも価格が異なるのでしょうか?

その秘密は生産工程にあるのです

まあいきなり生産工程と言われても、とまどってしまうと思いますので、解説させていただきます。やはりこういう生産構成などを考えると、面白いですよw

塗装の質の違い

もっともコストが関わってくる工程は「塗装」です。

塗装の工程は色数を増やせば増やすほど増えてきます。そのためスケールフィギュアに比べ、プライズフィギュアは塗装されてない箇所や、簡便なもので済まされているケースが多くなっています。

▲タイトーより発売されたプライズフィギュア、『艦これ』の「伊勢」。上着のベージュ色は塗装されておらず、PVC自体の成型色。赤い箇所もはみ出しが多く、ラフな塗装です

▲フリーイングから発売されたスケールフィギュア、『ラブライブ!』の小泉花陽。制服のメインカラーの青は成型色ではなく、しっかり塗装されており、さらにシャドーをかけ立体感あるグラデーションをかけています。ボタンの金色もはみ出しなくていねいに塗られていますね。

そりゃあ高いわけだw

表面処理の違い

次の大きな違うは「表面処理」です。

プライズフィギュアのほとんどは、成型時の型同士の合せ目に現れる段差「パーティングライン」が目立つものが多くなっています。

いっぽう、スケールフィギュアも完全に消えているものはないし、メーカーごと、製品ごとの個体差もりますが、一般的にヤスリがけなどを施され、パーティングラインが目立たないよう配慮されています。

▲セガプライズのプライズフィギュア、『艦これ』の「朝霜」。前髪のエッジ部やアホ毛表面にパーティングラインが出てしまっています。表面もゴワゴワ気味

▲コトブキヤのスケールフィギュア、『ガールズ&パンツァー』のアンチョビ。パーティングラインはうっすらと残っているところもありますが、表面はなめらかに仕上がっています。

そのほかにも生産工程や組み立て工程を抑えるため、プライズフィギュアはパーツ数を抑えられていたり、全体的にスケールフィギュアに比べて質感が劣るものが多いです。

法律上の問題

また、そもそも論として「プライズフィギュアは原価を制限されている」という点も挙げておきましょう。

ゲームセンターの景品には風営法による制限が課せられており、現在は原価800円までという規則があります。原価上限がその程度なので、ショップでの流通価格も1000円~ほどに抑えられているというわけです。

そりゃあプライズフィギュアは安くなりますよね。

ラインナップの豊富さはプライズフィギュアに軍配!

ではプライズフィギュアは全面的にスケールフィギュアに劣っているのでしょうか?所詮安かろう悪かろうな、貧乏人のためのホビーなのか?というと、決してそうではありません。

プライズフィギュアがスケールフィギュアに圧倒的に勝っている点が、価格面以外でもうひとつあります。それは、

ラインナップの豊富さ

なのです。

プライズフィギュアはスケールフィギュアに比べ単純にコストが安くなります。

また、お客に向け1対1で売買を行なうスケールフィギュアに比べ、プライズフィギュアはあくまで「UFOキャッチャーなどの景品」として扱われるので対価格効果も高く、発注を行なうゲームセンター側にとっても売れ残りのリスクが低くなります。

逆にスケールフィギュアは、主な生産国だった中国での人件費高騰や、それに伴う価格上昇に見合うクオリティを適えるためにさらに価格が上昇……と雪だるま式に年々そのコストが高くなってきています。

また、買う側にとってもおいそれと「新作は必ず買います!」というわけにもいかず、ここ一番、大好きなキャラクターやすごくクオリティの高いフィギュアだけを買おうという意識が産まれてきています。

要はスケールフィギュアという市場は、現在毎回がギャンブルのように伸るか反るか、いや絶対外せない! という状況が産まれてしまっているのです。

よくフィギュアメーカーの公式ツイッターなどが口を酸っぱくして「フィギュアの新作を予約してください!」と言っているのを見るでしょう。

もはや多くの購入者が望めないフィギュアは、多量に作っていつでもお店におかれる商品ではなくなってきています。そのため予約数に応じた最低限のロット数+αしか生産できなくなってきているのです。

そうした状況がラインナップにどう影響を及ぼすか。少し考えればわかるでしょうう。現在スケールフィギュア化されるキャラクターは、「絶対に売れる、間違いのない大人気キャラクター」のみとなってきているのです。

▲1万円以上する『艦これ』のスケールフィギュアたち。「長門」や「ビスマルク」、「時雨」など『艦これ』で非常に人気が高い戦艦、重巡洋艦、強力な駆逐艦などのド定番キャラクターが並びます。

また、セクシーなキャラクターはさほど興味が深くない層にも売上が良いらしく、スタイルのいいキャラクターが多く製品化されています

▲同じ『艦これ』でも2000円以下のプライズフィギュアはこんなカンジ。

「朝霜」「清霜」「瑞鳳」などのような駆逐艦、軽空母といったゲーム中でもそれほど性能が高くなく、人気もあるがややマイナー気味、なキャラクターが並んでいます。スケールフィギュアよりもロリキャラが積極的に立体化されているのもよくわかりますね

 これは昨今のキャラクターものグッズにおいて由々しき事態です。例えば過去流行したアニメ……『らきすた』や『けいおん!』などであればキャラクターの数はたかが知れていました。メイン級は4,5人であり、サブキャラクターを淹れても10人ちょっとで事足ります。

が、近年流行しているのはソーシャルゲーム、アプリゲームなどを軸にしたIP……『艦これ』や『アイドルマスター シンデレラガールズ』『Fate/GrandOrder』など。それらの大半は登場キャラクター数が100人以上、中には200人ほどに至るものまで存在します。

当然そうしたゲームでは「ベスト5にはいる人気ではないけど、俺は大好きなキャラクター」というのが誰にも存在するものです。が、そうした需要を高コスト、高リスクなスケールフィギュアではまかないきれmさえん。

それを補うため、というわけではないのですが、より小回りが利き、ハイクオリティフィギュアに見捨てられてしまった層をキャッチアップするための概念として、現在プライズフィギュアの隆盛が起こっていると言えるでしょう。

まとめ

少し長くなってしまいましたが、今回お伝えしたかったことは以下の要素。

●フィギュアには高いスケールフィギュアと安いプライズフィギュアがある
●プライズフィギュアは品質ではスケールフィギュアに大きく劣る
●プライズフィギュアはスケールフィギュアに比べてラインナップが豊富

となります。私が言いたかったのは、

どちらが優れているというわけではないということです!

スケールフィギュアは質ではプライズフィギュアに勝りますが、ラインナップでは劣ります。逆も同じことです。つまり、あなたが何を望むかによって、フィギュアの良しあしは違うのです。

また繰り返しになりますが、クオリティ面ではスケールとプライズ、という単純なもののみでなく、当然メーカーごと、製品ごとの個体差が存在することはご留意されたし。

プライズフィギュアはゲームセンターの景品など以外でも、Amazonなどの通信販売や中古ショップなどで購入することができます。スケールフィギュアは高価すぎて買えない、好きなキャラクターが製品化されていないという方はぜひプライズフィギュアという観点で探してみてください。

きっと素敵な出会いがあるはずです。